エコキュート交換を業者選びから価格相場まで詳しく解説
こちらの記事では、省エネ給湯システム「エコキュート」の交換方法について説明しています。
エコキュートは、省エネで光熱費も抑えられ、環境にも優れた選択です。いざ交換となると……。
- 交換工事はどの業者に任せる?
- 費用はどれだけ必要?
- エコキュートのメーカー選びはどうする?
様々な疑問が浮かびますね。これから、エコキュートの交換に関する重要な情報を詳しく解説していきます。
この記事で理解できること
- 交換工事業者を選ぶ際のコツ
- 工事費用の相場
- 正しいエコキュートの選び方
- おすすめのエコキュートメーカー
ぜひ最後までご覧いただき、エコキュートの交換の際にお役立てください。 なお、この記事の作成者である千葉エコキュート交換センターは、株式会社Earth22(アーストゥエンティートゥ)が運営しています。きちんと身元を明かし、責任をもって嘘や偽りのない正確な情報提供に努めることをここに誓約いたします。
エコキュートとは
エコキュートの正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」といい、ヒートポンプ技術で空気中の熱を使ってお湯を沸かす給湯システムです。
ヒートポンプユニットで空気をファンで取り入れて熱源とし、湧いたお湯を貯めておく貯湯ユニットの2つのユニットで構成されています。
「エコ:Eco」と「キュート:給湯」を組み合わせた名称であるエコキュートは、関西電力によって商標登録されています。
ヒートポンプ技術とは
ヒートポンプ技術は、気体が圧縮されると温度が上昇し、膨張すると温度が下がる性質を利用したシステムです。
エアコンや冷蔵庫などの家電製品でも温度調整のために使用されています。この技術では、冷媒(フロンガスや二酸化炭素など)を電力で圧縮し、熱を高めることでお湯を作ります。
エコキュートの機能概要
出典:ダイキン(https://www.ac.daikin.co.jp/sumai/alldenka/ecocute/structure)
エコキュートが水を温める過程はどのようになっているのでしょうか?その仕組みを分かりやすくご紹介します。
①外気の熱はヒートポンプユニットのファンによって取り込まれます。この過程で「空気熱交換器」を通り、膨張弁により冷媒(二酸化炭素:CO2)が低温から暖かくなります。
②加熱処理された冷媒は「圧縮機」に送られ、電力で圧縮されることにより、さらに温度が上昇します。
※外気温で30〜40℃に温められた冷媒は、90℃を超える高温に達します。
③高温の冷媒が「水熱交換機」に入ると、その熱が水に伝わり、水が温められてお湯になります。
④熱を伝えた冷媒は「膨張弁」を通過後、低温・低圧に調整されて熱を効率よく吸収できる状態になり、再び①に戻ります。
この①から④までの循環を繰り返すことで、安定した給湯が提供されます。
エコキュートの耐久年数は何年?
エコキュートの耐用年数は約10年が目安ですが、使用状況や設置場所によってその寿命は変わる可能性があります。
エコキュートの耐用年数の参考値
ヒートポンプユニット | 5〜15年 |
貯湯タンク | 10〜15年 |
【故障事例】これがエコキュート交換の兆しかもしれません!
エコキュートの交換が必要であることを示す兆候として、3つの故障事例を紹介します。これらの事例を把握しておくことで、交換のタイミングを見定める際に役立ててください。
エコキュート交換の兆候① お湯がまったく出ない、または少ししか出ない場合。
エコキュートでよく見られる故障の一例が、「お湯の出が悪い」や「お湯が出ない」という問題です。
- お湯がまったく出ない
- お湯がほんの少ししか出ない
お湯が少量しか出なかったり、出たり止まったりすることがあるなど、いろいろな症状が発生する場合があります。このようなエコキュートの症状には、以下の原因が考えられます。
【貯湯タンクが空の状態になっている】
エコキュートのお湯が出ない原因の一つに、貯湯タンクの残湯量が空になっていることがあります。エコキュートはタンク内に溜まったお湯を使用するため、使い切るとお湯が出なくなります。普段よりお湯を多く使うとお湯切れしやすくなるので、リモコン操作で定期的に残湯量を確認することが必要です。
【断水している】
エコキュートからお湯も水も出ない場合、断水が原因である可能性があります。断水が発生すると、水の供給が停止するため、お湯も水も出ません。たとえ貯湯タンクに水が残っていても、水道水の圧力がなければ蛇口からお湯や水を出すことはできません。断水が発生すると、水道局や自治体から通知が来るので、水道が復旧するまで待つ必要があります。
【給水ストレーナーにゴミ・汚れが溜まっている】
給水ストレーナーにゴミや汚れが溜まっていると、お湯が出なくなる原因になります。給水ストレーナーとは、給水配管とタンクの接続部分に設置されたフィルターです。このフィルターにゴミが溜まると、お湯の流れが妨げられ、お湯が出にくくなります。給水ストレーナーのゴミや汚れは自分で取り除けるため、定期的に掃除することを推奨します。本格的な掃除をしたい場合は、専門業者に相談してください。
【配管が凍結している】
冬のように気温が低下すると、配管が凍結することがあります。配管凍結は故障ではありませんので、すぐにお湯が必要な場合は、配管にタオルを巻き、ぬるま湯をその上からかけて解凍を試みてください。
【混合水栓が故障している】
混合水栓が故障すると、エコキュートからお湯が出なくなります。混合水栓の故障は専門業者に修理を依頼する必要がありますが、修理費用が2万円以上かかることもあるため、新しい混合水栓に交換した方が経済的な場合もあります。専門業者に修理を依頼するか、新しい混合水栓に交換するかを検討しましょう。
【配管が水漏れしている】
エコキュートの配管から水漏れが起きると、お湯が出なくなる原因になります。本体内部の配管から水漏れして制御基板に水が触れると、ショートするリスクが高まります。また、ヒートポンプと貯湯タンクを接続する配管から水漏れが発生しても、お湯を作り出せません。エコキュート内部や専用配管の修理は、一般的な水回りトラブル業者では対応できないため、専門業者に依頼する必要があります。
【止水栓が閉じている】
止水栓は貯湯タンクに接続されているため、閉じると給水が停止します。エコキュートは給水の圧力で貯湯タンクからお湯を供給します。特にエコキュートを初めて設置したり修理を行ったりする際、止水栓が閉まっていることが多いです。まずは止水栓が開いているか確認してみてください。
それでもお湯が出ない場合は、専門業者に修理や交換を依頼することをお勧めします。
エコキュート交換の兆候② お湯が出ず水だけ
蛇口やお風呂から水だけが出る場合があります。
まずは貯湯タンクにお湯が残っているか確認してください。リモコンの表示で簡単に確認できます。
リモコンに「湯切れ」の表示がないにもかかわらずお湯が出ない場合は、エコキュート本体の故障が疑われます。
- 経年劣化により温度調整基盤が問題を抱えている
- 温度センサーなどの部品が故障している可能性がある
このようなケースでも、エコキュート本体をリセットすることで問題が解消される場合があります。
<エコキュートリセット手順>
エコキュートのリセット方法は次の通りです。
- エコキュート本体(室外機)の「漏電ブレーカー」に設置されているテストボタンを押します。
- テストボタンを押すと、漏電ブレーカーがOFFに切り替わります。
- 約30秒ほど待ってから、再度漏電ブレーカーをONにします。
もし漏電ブレーカーをONにしても水温に変化が見られない場合、温度調整基盤や温度検知器の故障が考えられます。
この場合は、エコキュートの専門業者に修理や交換の依頼をしてください。
エコキュート交換の兆候③ シャワーの温度が変動する
シャワーの温度が変動する場合、エコキュート本体の不具合以外にも、他の原因が考えられます。
<お風呂やキッチンなどで複数の場所でお湯の温度が安定しない場合>
エコキュート本体に何らかの異常がある可能性があります。
<キッチンの給湯は問題ないのに、シャワーの温度が安定しない場合>
シャワーのサーモスタット水栓に不具合がある可能性があります。
サーモスタット水栓(または混合水栓)とは、お湯と水を適切に混ぜ合わせて出水するタイプの水栓です。サーモスタット水栓の設定温度を少しずつ調整して、適温の水が出るか試してみてください。
それでも温度が安定しない場合は、サーモスタット水栓自体の故障が考えられます。サーモスタット水栓には水量と温度を調整するためのレバーが取り付けられていますが、このレバーに問題が生じると、お湯の出が悪くなったり、水温の調整が困難になることがあります。
その場合は、水栓の修理またはエコキュートの修理・交換が可能な業者に依頼する必要があります。
エコキュートの交換を早める行為について
エコキュートの使用方法には、その耐用年数を短縮する恐れがある行為があります。10年の寿命をより長く保つためには、次に挙げるような行為はなるべく避けることが大切です。
交換時期を早める行為① 使用が推奨されない入浴剤を使う
エコキュートの故障を引き起こす可能性があるため、特定の入浴剤の使用が禁止されています。入浴剤に含まれる成分がエコキュート内部の部品を腐食させるからです。多くのメーカーが、以下の入浴剤を使用しないよう指示しています。
<使用が推奨されない入浴剤の例>
- 酸またはアルカリ成分を含むもの
- 炭酸カルシウムが含まれているもの
- 硫黄成分が含まれているもの
- 塩分が含まれているもの
- 固形の薬草などが含まれているもの
上記の例は一部に過ぎません。メーカーや機種により、使用できる入浴剤は異なりますので、エコキュートの取扱説明書をよく読み、許可されている入浴剤を使用してください。
また、使用可能な入浴剤の中にも、追い焚き時には使用が禁止されているものがあります。追い焚きによってお湯が循環する際、入浴剤が排水口を詰まらせる恐れがあるためです。追い焚き時の使用についても十分に確認し、入浴剤を選ぶようにしましょう。
交換時期を早める原因②: 水質に合わない機種の使用
地下水を生活用水として使用している地域では、一般的なエコキュートを利用すると、その耐用年数が短くなることがあります。
その理由は、地下水や井戸水に多く含まれるカルシウム成分です。カルシウムはお湯が循環する際に熱交換器内で固形化し、この状態で使用を続けると固形化が進んでいきます。最終的にはエコキュート内部で目詰まりが発生し、故障を引き起こす原因となります。
最近では、各メーカーが「井戸水対応型エコキュート」を次々と市場に投入しています。地下水や井戸水を使用している家庭においては、エコキュートの交換時に「井戸水対応型」のモデルを検討することを強くお勧めします。
交換時期を早める原因③: 塩害地域・寒冷地域での使用
塩害地域や寒冷地域において、一般的なエコキュートモデルを使うと、潮風によるサビや凍結が原因で故障が発生しやすくなり、耐用年数が短くなります。
このような地域にお住まいの場合は、「塩害地域専用エコキュート」または「寒冷地域専用エコキュート」を選択することが望ましいです。
交換時期を早める原因④: 日常メンテナンスの不履行
エコキュートも他の住宅設備と同様に、日々の適切なメンテナンスを怠ると、その耐用年数が短くなります。
貯湯タンクの水抜きやお風呂のフィルター交換、配管の清掃など、定期的なメンテナンスをしっかり行うことが重要です。
エコキュートの交換を試みても、供給不足により対応できない状況
2020年から2021年にかけて、新型コロナウイルスの影響で顕在化した「世界的な半導体不足」が原因で、エコキュート本体の供給や在庫が不足しました。
エコキュートには、多くの半導体がセンサーやその他の精密機器に使用されており、そのため生産と供給が追いついていませんでした。このため、交換や新規購入を希望しても、エコキュート本体の入荷待ちで半年以上かかることが珍しくありませんでした。
感染症の拡大や災害によって、「エコキュートを交換できない状況」が再び発生する可能性は不確かです。そのため、耐用年数が近づいているエコキュートを使用している方は、日々のメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
加えて、万が一のために、在庫が豊富な交換工事業者を前もってリストアップし、交換するエコキュートの機種を事前に選んでおくなど、エコキュートが壊れても迅速に対応できるような準備を整えることが必要です。
エコキュートの交換にかかる費用の相場
ここでは、エコキュート交換費用の内訳とその相場について解説します。
古いエコキュートから新型に交換する際の相場は、おおよそ30〜60万円です。
交換費用は「本体価格」と「交換工事費用」の2つに分かれます。また、本体価格を決定する際には「貯湯タンクの容量」を選定する必要があります。それぞれの詳細を見ていきましょう。
交換費用の内訳①【本体価格】
エコキュートの本体価格は、一般的に30〜50万円です。価格はエコキュートのモデル、給湯タイプ、貯湯タンクの容量によって変わります。
※詳細は「エコキュートの価格に影響する要素」でご確認ください。
エコキュートの価格に影響を及ぼす要素には、「給湯タイプ」と「貯湯タンクの容量」が含まれます。
給湯タイプ
エコキュートは、給湯の仕様に応じて「フルオートタイプ」「オートタイプ(セミオート)」「給湯専用タイプ」の3種類に分かれています。それぞれのタイプで、本体価格や交換工事費用が異なるため、選択時には注意が必要です。
自動湯はり機能 | 足し湯機能 | 追い焚き機能 | 焚き増し機能 | お湯はり予約 | 配管清掃運転 | 非常用水取り出し | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
フルオートタイプ | ◎ 自動 |
◎ 自動 |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
オートタイプ | ◎ 自動 |
◯ 自動 |
× | ◯ | ◯ | × | ◯ |
給湯タイプ | ◯ 自動 |
◯ 自動 |
× | × | × | × | ◯ |
・フルオートタイプ
このタイプは、自動でお湯はりや足し湯、追い焚き、沸き増し、予約機能、配管清浄、非常用水取出しなど、多くの給湯機能を備えたトップクラスのモデルです。
快適な温度での入浴が可能ですが、その分電気代がやや高くなることがあります。
・オートタイプ(セミオート)
自動お湯はりや手動による足し湯、沸き増し機能、お湯はり予約、非常用水取出しなどが可能なミドルレンジの機種です。
追い炊き機能は含まれておらず、自動足し湯機能もありませんので、お風呂が冷めた際には手動での足し湯が必要です。
フルオートタイプよりも設置コストが低く、消費電力が少ないため光熱費を抑えることができます。
さらに、機能が少ないことで故障のリスクも低くなる点も魅力です。
・給湯専用タイプ
給湯専用タイプのエコキュートは、給湯機能に特化したシンプルなモデルで、蛇口から直接お湯を供給します。
操作が容易で、穴あけや配管工事も不要です。フルオートやセミオートタイプと比べると、本体価格が安いのが特徴です。
ただし、給湯専用のため、時間とともにお湯が冷めてしまいます。また、湯船のお湯を張る際には、適量になると手動で蛇口を閉める必要があります。
・そのほか:多機能タイプ
エコキュートの多機能タイプは、給湯機能に加え「床暖房」機能を搭載しているモデルです。
エコキュートで温めたお湯を「温水式床暖房パネル」に供給し、床を効率よく暖めることができます。床暖房専用の熱源機が不要なため、部屋の有効スペースが増え、電気代も電気式ヒーターの約1/4に抑えられます。
初期費用はかかりますが、光熱費の節約が期待できるため、長期的にはお得な選択となります。
貯湯タンク【人数別おすすめ容量】
エコキュートの貯湯タンクは、主に「370L」と「460L」の2つの容量があり、さらに「550〜560L」の容量も選べます。
最近では、少人数の家庭向けに「370L以下」の小容量の貯湯タンクも登場しています。
容量が大きいほど価格も高くなるため、家庭の使用量に見合った適正な容量を選ぶことが重要です。
まず「1日に使う湯量」をおおよそ把握することから始めましょう。一般的な1日の湯量の目安を理解することが大切です。
<1日の平均使用湯量:一人あたり>
- 湯船のお湯はり:180L(1回)
- シャワー:50L
- 洗面:10L
- 手洗:10L
- 洗濯:10L
この湯量の基準を参考にして、4人家族の1日あたりの湯量を概算してみます。
湯船のお湯はり:180L+その他の湯量:80L× 4人=500L
あくまで目安ですが、4人家族の家庭では「500L」を基準に考えると良いでしょう。
また、貯湯タンクを選ぶ際には、その容量以上の湯量が使用できることを確認することが重要です。
エコキュートは、貯湯タンクに貯めた高温のお湯と水道水を混ぜて適温にする仕組みです。※詳しい情報はこちらをご確認ください。
このように、貯湯タンクの容量の約2倍の湯量が使える理由です。ただし、タンク内のお湯は徐々に温度が下がるため、実際には2倍の量は使用できず、設定温度や水道水の水温によっても異なります。
貯湯タンクの容量 | 適正家族人数 | 1日にまかなえる湯量 |
---|---|---|
貯湯タンク容量370L | 2〜3人家族 | 410〜550L |
貯湯タンク容量460L | 4〜6人家族 | 410〜550L |
貯湯タンク容量550〜560L | 6人家族以上 | 550〜760L |
貯湯タンク容量370L:2〜3人家族向け
370Lの容量は、最も一般的なエコキュートのサイズです。この容量であれば、2人〜3人家族の1日の使用湯量<約410〜550L>には十分対応可能です。
ただし、370Lは多くのメーカーが3〜5人家族用と推奨しているため、4〜5人家族で湯量が多いご家庭には若干不足する場合があります。
湯切れが起こると、電気代の高い昼間に「焚き増し」をする羽目になり、そのため電気代が増加し、省エネ性能が損なわれる可能性があります。
370Lと460Lでは市場価格に約3万円の差があるため、4〜6人家族には、上位の460L貯湯タンクを選ぶのが賢明です。
貯湯タンク容量460L:4〜6人の家族にぴったり
容量370Lの標準的なエコキュートモデル。4〜6人のご家族に適した容量で、実際には460〜690L程度の湯量が確保でき、十分に使用できます。
ただし、5〜6人のご家庭でお湯を大量に使用する場合は、550〜560Lの貯湯タンクを選ぶことをおすすめします。
貯湯タンク容量550〜560L:6人以上のご家庭に最適
エコキュートの中で最大の容量である550〜560Lは、6人以上の家族にぴったりのサイズです。お湯の使用量が多いご家庭におすすめのモデルです。
交換費用の内訳②【交換工事費用】
交換工事にかかる費用は約10〜20万円です。標準的な交換作業の場合は、おおよそ10万円で済みます。一方、浴槽循環器の取り付けが必要な場合は、15万〜20万円ほどの費用が見込まれます。
<交換工事にかかる追加費用>
① 既存設備の撤去および処分費
これまで使っていた古いエコキュートの処分費用は、相場としておおよそ1万円です。
② 浴槽循環器の取り付け費
エコキュートの給湯タイプを変更する際に発生する工事費用で、相場は約1〜1.5万円です。
③ 電気工事にかかる費用
エコキュートを新たに設置する際には、以下の費用が必要です。
- 分配器の交換費:約3万円〜6万円
- 幹線の貼り替え費:約3万円〜4万円
- 電力会社への申請代行費:約2万円〜4万円
エコキュートを交換する際に既存の電気設備を利用する場合、追加の工事費用はかかりません。
しかし、設置場所を新たに設定するなどの変更がある場合には、そのための費用が発生します。
電気工事費は特に複雑なので、安心して依頼できる専門業者に見積もりを依頼することをお勧めします。
エコキュートを今交換するべき3つの理由
なぜ今エコキュートを交換しなければならないのか?その理由を3つご紹介します。
理由① 年間の給湯保温効率が改善されているので、電気代が下がる
年間給湯保温効率とは、エコキュートが一年間を通じて、どれだけ効率的に省電力で給湯と保温ができるかを表す数値です。
年間給湯保温効率
年間を通じてエコキュートを運転し、洗面、台所、シャワー、お湯はりでの給湯熱量と、お風呂の保温熱量を合計します。それを年間の消費電力量で割り、100を掛けた数値です。
過去10年で、エコキュートの年間給湯保温効率は大きく向上しています。
- 2010年の平均値:2.5〜3.0
- 2021年の平均値:3.0〜4.0
年間給湯保温効率が3.0のモデルと4.0のモデルでは、概算で約3割電気代が異なることになります。
例えば、年間15万円の電気代を給湯に支払っている家庭では、電気代を3割節約できれば、年間で5万円の節約が可能です。
これを10年間続けると、合計で50万円もの節約が期待できるという計算になります。
理由② 便利な新機能で生活が充実
最新のエコキュートには、10年前にはなかったさまざまな新機能が備わっています。非常に便利な機能が増えており、生活を豊かにしてくれることは確実です。
<新機能一例>
- スマートフォンと連動し、自宅から遠く離れた場所でも操作できる
- 浴槽内に微細な泡を噴出して、入浴後の保温性を向上させる
- お湯はり後に深紫外線を照射してお湯を除菌し、水質を維持する
さらに、ここ10年間の震災からの教訓を活かし、耐震性能も大幅に向上しています。
理由③ 古いモデルの修理が難しくなる
10年以上経ったエコキュートの古いモデルは、基本的に部品交換による修理ができないことが多いです。
というのも、多くのメーカーが修理に必要な部品の保有期間を10年と定めているからです。
したがって、10年以上経過したエコキュートは、修理したくても部品が手に入らないケースがほとんどです。メーカーも、エコキュートが10年を超えたら計画的な買い替えを推奨しています。
エコキュートの交換で補助金が獲得可能です!
エコキュートを交換すると、自治体から約1〜18万円の補助金が支給されます。
補助金は、環境に配慮した省エネエコキュートの早期普及を促進し、日本国内や地球全体の温室効果ガス削減を目指しています。
ただし、補助金の有無や額は自治体によって異なりますので、エコキュートを設置する前に、自分が住んでいる地域の自治体に確認することが重要です。
ここで、標準的な補助金申請の手続きについてお話しします。
エコキュートの補助金申請手続き
エコキュートの補助金申請に関する一般的な流れを解説します。申請方法は地域の自治体によって異なるため、詳しい手続きについてはお住まいの自治体にご確認ください。
① 補助金制度の有無を自治体に確認
まず、自治体の担当部署に連絡し、補助金の有無や申請方法について確認します。
② 指定された書類の準備と提出
自治体から指示された必要書類を、工事の着工前または着工後に提出します。提出時期は自治体によって異なるため、必ず確認してください。
③ 承認後に工事を開始
申請から約10日ほどで「決定通知書」が届きます。この通知を受け取った後に工事を行います。
④ 工事完了の報告
工事が終了したら、自治体の担当部署に工事完了の報告をします。
⑤ 補助金の振り込み
報告後、補助金が振り込まれて申請手続きが完了します。
エコキュートの交換を依頼する際、どの業者を選ぶべきか?
エコキュート交換を依頼できる代表的な4つの専門業者を紹介します。
- エコキュート交換工事業者(オンライン検索)
- ハウスメーカー
- 家電量販店
- リフォーム業者
各専門業者のメリットとデメリットを解説します。
エコキュート交換工事業者 | メリット | デメリット |
---|---|---|
インターネット上のエコキュート交換工事業者 | ・価格が安い ・専門スタッフが在籍しているので技術力が高い ・独自の保証サービスがある |
・実店舗がない ・店によって技術レベルが違う ・価格表記がわかりづらい |
ハウスメーカー | ・住宅全般の相談が可能 ・一定基準以上の品質が保たれる ・アフターサービスが充実 |
・費用がやや高め ・専門スタッフがいない場合もある ・取り扱いの機種が少ないところもある |
家電量販店 | ・対面でスタッフに直接相談できる ・ポイントを貯めたり、ポイントで安く購入できる ・定期的にセールを実施している |
・取り扱い機種が限られている場合がある ・下請けによる交換工事の技術が低い場合がある ・エコキュート専門の店員がいない可能性がある |
リフォーム業者 | ・施工技術が高い ・気軽に相談できる ・保証が充実している |
・工事が割高な傾向にある ・業者によって当たり外れがある ・追加費用がかかる場合もある |
エコキュート交換工事業者(オンライン検索)
オンラインで見つけたエコキュート交換工事業者は、実店舗を持たずにオンライン上だけで事業を行っています。また、専門的な技術を持つスタッフが在籍しています。
オンラインを利用して集客や申込みの効率化を進め、低価格で交換工事を提供する業者が多いのが魅力です。
メールやチャットで24時間いつでも問い合わせができることも、もう一つの利点です。
ハウスメーカー
エコキュートはハウスメーカーでも購入可能です。これらの大手企業では、生産体制がしっかりしており、施工規格が統一されているため、品質保証が一定であることが魅力です。
しかし、ハウスメーカーではエコキュート以外の製品も取り扱っているため、依頼先の事業所にエコキュートの専門スタッフがいないことがありえます。
その結果、交換工事の日程調整や商品の問い合わせに時間がかかることがあり、さらにエコキュート本体や工事費用がやや高くなります。
家電量販店
家電量販店では、エコキュートも他の家電製品と同様に取り扱われています。店頭で実物のエコキュートを見ながら、店員と直接相談できる点が大きな利点です。
家電量販店の魅力の一つは、独自のポイントサービス特典です。貯まったポイントを利用すれば、市場価格よりもお得にエコキュートを購入できることがあります。
また、時期によってはエコキュートをセール価格で販売することもあります。エコキュートをお得に購入できる機会が他の専門業者よりも多いのも魅力です。
デメリットとしては、繁忙期に購入希望者が集中し、エコキュートの交換に時間がかかることが挙げられます。また、交換工事は店舗スタッフではなく外部の下請け業者が担当するため、技術にばらつきがあることにも注意が必要です。お店でお得に購入できても、交換工事のクオリティが低くて後悔する場合もあります。
リフォーム業者
エコキュートの交換をリフォーム業者に頼むメリットは、施工技術の高さです。
住宅設備の取り付けや、外壁・内装などの住宅施工経験が豊富なので、安心して交換工事を任せることができます。さらに、地元のリフォーム業者に依頼すれば、交換工事の対応が迅速である点も魅力です。
デメリットとして、エコキュートの交換工事だけでは対応してもらえないことがあります。また、リフォーム業者がエコキュートに注力していない場合、料金が割高に設定されていることがあるため、注意が必要です。
エコキュートの交換工事業者を選ぶための3つの基準
これから、数多くのエコキュート交換工事業者から優れた業者を選ぶための3つのポイントをご紹介します。
① 複数の業者に見積もりを依頼する
エコキュート交換工事業者を選ぶ際には、1社だけに頼らず、複数の業者から見積もりを取ることをお勧めします。複数の見積もりを比較することで、交換工事の適正価格がわかります。
② 担当者に直接電話で話をする
見積依頼時に担当者の対応を確認することも、業者選びにおいて欠かせないポイントです。
交換工事までのやりとりがメールやチャットだけで行われると、実際の現場で初めて対面したときに、担当者の印象が悪かった……というケースもあります。
こうしたケースを避けるためにも、契約前に少なくとも一度は直接電話でやりとりし、業者の対応や雰囲気を確認することをおすすめします。
担当者が横柄な態度を見せたり、あいまいな回答しかしない場合、社員教育が行き届いていない可能性があります。このような業者は、交換工事の技術も疑わしいため、選択肢から外す方が無難です。
③ 施工実績を調べる
業者の技術力を確認するためには、業者のウェブサイトに掲載されている施工実績を調べるのが最も確実です。多くの施工実績が載っている業者は、その施工技術に自信がある証拠であり、信頼して依頼することができます。
さらに、その業者の名前をインターネットやSNSで検索し、口コミや評判を調べるのも役立ちます。リアルタイムの評価や他の顧客のレビューを確認しておくことが大切です。
エコキュートおすすめメーカー5選
続いて、数多くのエコキュートメーカーの中から、特におすすめの5つのメーカーを選び出してご紹介します。
1:ダイキン
ダイキンは、空調機器で世界的なシェアを持つ企業です。そのため、ダイキンのエコキュート製品には、エアコンの技術を応用したヒートポンプ技術が取り入れられており、その高い技術力は広く認められています。
【ダイキンエコキュートの特徴】
ダイキンエコキュートの特長的な機能をご案内します。
・強力な高圧給湯機能
ダイキンのエコキュートは、320kPaという高圧設定で、他のどのメーカーよりも強力です。これは通常の高圧給湯の約1.9倍に相当し、2ヶ所での同時給湯が可能で、さらに湯船にお湯を溜めるのも約11分と非常にスピーディーです。
・ウルトラファインバブル入浴
特別に設計されたアダプターを使用することで、0.001mm未満の微細な泡を浴槽内に生成します。このウルトラファインバブルは水中に長時間滞留するため、温浴効果や美肌効果、洗浄効果が非常に高いのが特徴です。
・ターボ沸き上げ
冬場など外気温が低くなり、沸き上げ機能が低下した場合、自動でパワーアップ機能が作動し、効率よく給湯を行います。また、電力料金が安い夜間に沸き上げが完了するよう自動で制御されるため、とても経済的です。
高圧のシャワーを楽しみたい方や、2階や3階でも十分な流量のお湯を使いたいご家庭にぴったりです。
2:三菱電機
日本を代表する大手家電メーカーの三菱電機。その「三菱エコキュート」は、最新の省エネ技術を採用し、年間給湯保温効率が「4.2」と高い数値を実現しています。2020年には省エネ大賞を受賞し、業界でも優れた省エネ性能を持つ製品です。
【三菱エコキュートが提供する特長的な機能】
三菱電機エコキュートの特有の機能をご案内します。
・キラリユキープ
給湯運転中にお湯に深紫外線を当てることで、深紫外線の効果で菌の増殖を抑え、お湯の匂いやにごりを軽減します。この技術により、いつでも清潔なお湯で心地よい入浴を楽しむことができます。
・バブルおそうじ
お風呂の栓を抜くだけで、自動的に配管の洗浄が行われる機能です。栓を外して水位が下がると、自動洗浄が開始されます。お湯が循環を始めると、約0.1mmのマイクロバブルが発生し、配管内の皮脂汚れなどをしっかり吸着して洗浄します。
・ホットあわー
ボタンを押すだけで、湯船に約0.01ミリの微細な「マイクロバブル」を生成します。これにより、入浴後の皮膚表面の温度を通常よりも高く保ち、湯冷めを防ぎます。さらに、肌の水分量を増加させ、長時間にわたってうるおいを保持する効果もあります。
清潔感と快適さを求めるご家庭にぴったりの機能です。
3:コロナ
2001年に国内初のエコキュートを発売した家電メーカーです。エコキュートを扱う企業の中でも老舗として名高く、長年の蓄積したノウハウを活かして、高性能な製品を開発しています。
【コロナエコキュートの特長的な機能】
コロナエコキュートの特有の機能をご案内します。
・ES制御
コロナは独自の高効率技術ES制御を導入しており、エコキュートの三大機能「沸き上げ機能」「給湯機能」「保温機能」にコロナ独自の技術を投入。年間給湯保温効率「4.0」を達成し、効率の良い給湯システムを実現しています。
・自動配管洗浄
お風呂の栓を抜いて排水するだけで、エコキュートが自動で配管を洗浄します。
・貯湯ユニット内配管のステンレス化
貯湯ユニット内の配管を銅からステンレスに変更し、腐食への耐性と耐久性を向上させています。
4:パナソニック
引用:パナソニック株式会社 公式サイト https://sumai.panasonic.jp/hp/
パナソニックは、長い歴史を持つ日本のメーカーで、エコキュート市場において三菱電機と共に国内シェアのトップを争っています。CO2削減に効果的なヒートポンプ技術に注力し、エネルギー効率に優れた高性能エコキュートを提供しています。
【パナソニックエコキュートの特徴的な機能】
パナソニックエコキュートの特有の機能をご案内します。
・AIエコナビ
浴室の出入りをセンサーで検知し、設定した温度まで自動的にお風呂を加熱します。これにより、入浴時には常に温かいお湯に浸かることができます。また、AIが冷めたお湯の温度変化を学び、浴室不在時の不必要な湯温チェックを省略することで、省エネ効果が高まります。
・リズムeシャワープラス
シャワーの流量と温度を一定のリズムで変化させることで、エネルギー効率が向上する機能です。この機能により、最大で約20%の省エネ効果と、最大10%の節水効果が実現されています。
・ぬくもりチャージ
入浴後に残ったお湯の熱を利用し、夜間の沸き上げを節約する機能です。これにより、翌日分のお湯張りにかかるエネルギーを最大10%削減できます。
5:長府製作所
長府製作所のエコキュートは、省エネ性能の面で大手メーカーに匹敵する高評価を得ています。
年間給湯保温効率が「4.0」という高いレベルを達成しており、これはコロナや三菱電機と同等の性能を持っていることを示しています。
【長府製作所エコキュートの特長】
長府製作所エコキュートの特有の機能をご案内します。
・ecoとく運転
浴槽の残り湯から最大40%の熱を回収し、次に新しいお湯を沸かす際のエネルギーを削減します。これにより、空気から熱を取り込むためのエネルギーを減少させます。
・沸き増し停止機能
日中の電気代が高い時間帯に沸き増しを停止することで、エネルギー消費を抑えて省エネを実現します。
・マイクロバブル浴
マイクロバブル対応のアダプターを取り付けることで、浴槽内に20マイクロメートルの細かな泡を生成します。この機能により、30〜40℃のお湯でも入浴後に温かさが長く続きます。
まとめ:エコキュート交換の最適な時期は今です!
この記事では、エコキュートの交換についてご紹介しました。
最新のエコキュートは省エネ性能が向上しており、ランニングコストを抑えることができます。また、様々な新機能が生活の質を向上させてくれます。
もし、お使いのエコキュートが10年を超えているなら、省エネ効率が低下し、電気代が増える可能性があります。また、機器の劣化により故障のリスクも高まります。
エコキュートが10年以上経過している場合、この記事を参考にして新しいモデルへの交換を検討してみてはいかがでしょうか?
新しいエコキュートに交換することで、エネルギー効率が改善され、長期的にコスト削減が期待できます。
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